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WindsurfとDevinの連携がもたらす革新 | AI駆動開発カンファレンス2025秋講演レポート

AI駆動開発カンファレンス2025秋のWindsurf Inc.によるセッション「Agents that work Better Together (Windsurf + Devin = Cognition)」では、AIエージェントの進化と「Windsurf」と「Devin」を組み合わせた新しいソフトウェアエンジニアリングのあり方について紹介されました。

講演動画はこちら

 

 

エージェント進化の歴史

AIエージェントは、ソフトウェア開発の現場において急速な進化を遂げてきました。年ごとの主な進化は以下の通りです。

  • 2022~2023年
    GitHub Copilotが登場し、エディタ上での自動コード補完や関数提案など、開発者の作業効率を大幅に向上させました。AIがペアプログラマーとして定着し、日常的なコーディング支援が一般化しました。
  • 2024年
    Windsurfが登場し、従来の補完機能だけでなく、複数ファイルの自動生成・実行やターミナル操作の自動化が可能に。チャットエージェントによる対話的なサポートやワークフロー自動化も実現し、より実践的な開発支援が広がりました。
  • 2025年
    Devinなどの自立型(オートノマス)エージェントが進化。コマンド発行のみで、エージェントが要件理解から設計・実装・テスト・デプロイまでエンドツーエンドで完了できる時代へ。複数エージェントの連携やクラウド実行も一般化し、規模や複雑性に応じた柔軟な運用が可能となりました。

このようにAIエージェントは、単なる補助ツールから、知識共有やナレッジ運用、プロジェクト全体の生産性向上を担う存在へと進化しています。

WindsurfとDevinの連携と特徴

2025年には、Cognition社によるWindsurfの買収が発表され、AIエージェントの世界に大きな転機が訪れました。これにより、WindsurfとDevinという二つの先進的なAIエージェントが連携し、ソフトウェア開発の現場に新たな価値をもたらしています。

Windsurfはローカル環境で動作するAIネイティブIDEとして、ユーザーが直接ガイドしながら作業できる点が特徴です。コード補完や複数ファイルの自動生成、実行に加え、チャットエージェントによるリアルタイムなサポートや、ワークフローの自動化機能も充実しています。開発者は自分の手元で細かく作業をコントロールできるため、複雑な設計や細部の調整にも強みがあります。

一方、Devinはクラウド上で複数エージェントを同時実行できるプラットフォームであり、大規模組織や複雑なタスク管理に特化しています。Devinは組織内のナレッジやドキュメントを学習し、プロジェクトごとの詳細な情報を活用して、効率的な検証やテスト、知識共有を実現します。

両者の連携による最大のメリットは、生産性の大幅な向上です。Windsurfによる個別かつ精緻な作業と、Devinによる広範囲な検証・自動化を組み合わせることで、従来の単独利用時と比べて6~12倍の効率化が報告されています。また、コードマップや高速検索などの新機能によって、知識共有やオンボーディングのスピードも飛躍的に向上。現場のエンジニアは、膨大なコードやドキュメントから必要な情報を瞬時に抽出でき、チーム全体の生産性と品質を高めることが可能となっています。

検索モデルの進化と現場へのインパクト

従来のエージェント型検索やRAG型サーチでは、コードベースが大きくなるほど検索速度や効率に課題がありました。特に数千・数万ファイル規模のプロジェクトでは、目的の情報を探すのに多くの時間が必要で、開発現場の生産性向上には限界がありました。

しかし、最新の検索モデル「Fast Context」の導入により、こうした課題が一気に解消されています。従来比で20倍の高速検索を実現し、膨大なファイルの中からでも瞬時に必要な情報を抽出できるようになりました。

さらに、Codemaps機能により検索結果が視覚化され、関連性や影響範囲を一目で把握できるため、リファクタリングやバグ調査、影響範囲分析などの作業効率も大幅に向上しています。これらの機能はWindsurfとDevinの両方で利用可能となっており、組織横断的なナレッジ共有や新メンバーのオンボーディングも加速。AIエージェントによる検索モデルの革新は、現場の開発プロセス全体に大きなインパクトを与えています。

 

最新AIモデル「SWE-1.5」のインパクト

セッション当日に最新AIモデル「SWE-1.5」が公開されました。AIエージェントによるソフトウェア開発の生産性・品質を大幅に向上が期待されています。

  • SWE-1.5の特徴
    • 950トークン/秒の高速処理能力を持ち、従来のモデル(sonnet4.5など)比で最大13倍のスピードを実現
    • GPT-5やhaiku4.5などの先端モデルと比較しても、SWE-bench-proスコア40超という高品質なアウトプットを達成
    • NVIDIAの最新GPUを活用した大規模トレーニングにより、実際の開発現場でのリアルタイム対応が可能
  • 技術的特徴
    • 高速かつ高精度なコード生成と検索を両立
    • CodemapsやFast Contextと連携し、複雑なコードベースでも瞬時に目的の情報を抽出
    • Devin上でのエージェント運用時に、パフォーマンス2倍、エンドツーエンドスコア向上、カスタマイズ性も大幅強化
    • SWE-grepやSWE-grep-miniなどのサブモデルも開発され、サーチ・リファクタリング・バグ修正など多様な用途に対応
  • 現場へのメリット
    • 大規模リポジトリや複雑なプロジェクトでも、検索・設計・実装・レビューが高速かつ高品質に完結
    • AIエージェントがチームや組織のナレッジを学習し、プロジェクトごとの特性に合わせた柔軟な提案が可能

セッションを聞いて

今回のAI駆動開発カンファレンスを通じて、AIエージェントの進化がソフトウェア開発の現場をどれほど変えているかを改めて実感しました。特にWindsurfとDevinの連携による作業効率の向上や、検索モデルの革新がもたらす情報探索のスピードと精度の向上には、今後ますます期待が持てます。

従来は、膨大なコードやドキュメントの中から必要な情報を探すだけで多くの時間を費やしていました。しかし現在では、ジュニアエンジニアや新しいメンバーがプロジェクトに参加しても、知識の壁を感じることなく、すぐに全体像を理解できるようになってきたと感じます。AIエージェントがチームや組織のナレッジを学習し、各プロジェクトに合わせて柔軟に提案してくれることで、開発現場の生産性と品質は着実に高まっていますが、その「正しい利用方法」をチームごとに探して取り入れることも重要だと思います。これからもAIツールの進化を追いながら、現場での活用方法を模索し続けたいです。

 

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