フルリモート体制で
高コストパフォーマンスのクラウド構築プロジェクトを実現

ナカシマプロペラ株式会社のシステム事業部門から独立し、1985年に設立された株式会社システムズナカシマ。ITシステムの設計・構築から運用までを提供する同社のシステム開発部は、土木建築業の顧客から、事務所のPCに依存しない形でどこからでも業務ができる作業計画作成システムの開発を受注。COVID-19の感染拡大への対応や、柔軟な働き方と顧客への価格メリットの両立のためにフルリモートでの構築を決断した同社は、対面での打ち合わせを最小限に抑えた効率的なプランとエビデンスとしても使える質の高いドキュメントを評価し、システムのインフラ部分となるAWS環境構築のパートナーにJTPを選定。JTPは、無駄な時間を削ぎ落としつつも、丁寧な作り込みにより、同社の作業計画作成システムの構築をリモートで支援しました。

 

株式会社システムズナカシマ

本社所在地
岡山市東区上道北方688-1

事業内容

  • 建築設備用CADシステムの開発/販売
  • 建築設備業向け顧客管理システムの開発/販売
  • 営業情報管理システムの開発/販売
  • スマートフォン向け各種ソフトの開発/販売
  • 業務システムの開発・販売 / コンピュータ関連機器の販売

Webサイト
https://www.systems.nakashima.co.jp/

「パラメータシートは作業の指針である一方、ゴールを示すものでもあり、計画通りにできている
かどうかを判断するための証跡になります。JTPさんはパラメータシートをエビデンスとして提出
してくれましたが、それは自身の構築の品質に対する自信の表れでもあるので、安心してお任せ
することができました」

榊原 直弥 氏

株式会社システムズナカシマ
システム本部 システム開発部 岡山第1 グループ グループ長

課題

導入効果

往来を最小限に抑えたフルリモートでのプロジェクトの進行

環境構築に関する質の高いエビデンスの取得

コストパフォーマンスの高い構築プランの提供

パラメータシート提出によるサービス品質の担保

▮ 総合システムインテグレーターとして着実に成長を続けるシステムズナカシマ

船舶用推進器のトップメーカーであるナカシマプロペラ株式会社のシステム事業部門が分離・独立し、1985年に設立された株式会社システムズナカシマ。プロペラ設計用の自社製CADで培われた開発技術をもとに、同社のビジネスは汎用CADシステムの開発・販売からスタート。現在では汎用CADだけでなく、設備業向けソリューションやSFAを中心とした業務系ソリューションの開発・販売のほか、ITシステムの設計・構築から運用までをワンストップで提供する総合システムインテグレーターとして着実に成長を続けています。同社のシステム開発のビジネスとその強みについて、システム開発部 岡山第1グループ グループ長 榊原 直弥 氏は次のように語ります。

「親会社が船舶用のプロペラの開発・製造を行っていることから、生産管理のシステム開発に強みがあります。そのため、生産工程の管理が必要なお客様向けの開発がメインとなりますが、お客様によって相談内容は異なりますので常に違うものを作っています。独自でシステムを開発するか、パッケージ製品を採用するかについては、顧客の規模やコストによって変わりますが、小規模の場合やコストが限られている場合は、基本的にパッケージ製品の提案からはじめています。提案の中でFit & Gapを経て、パッケージでは対応が難しいことが判ると、独自開発に切り替えることがあります。システム開発部は、導入前のコンサルティングから導入後のサポートまでを行うSIerのような動きをしている部門なのです」

▮ パブリッククラウドの利用が前提となる新規システム開発案件

して、榊原氏は、COVID-19の感染拡大が進んでいたことや顧客が遠隔地にあることから継続的な訪問や長期滞在が難しかったこと、リモートワーク自体が一般に定着しつつあったことにより、フルリモートでの構築プロジェクトを決断します。フルリモートのプロジェクトについて、榊原氏は顧客にとってもコスト面で大きなベネフィットになると言います。

「今回のような状況の場合、お互いに頻繁に行き来することができませんので、訪問回数を予め決めさせていただきました。訪問回数を減らしつつ、一回の密度を濃くするという前提での料金を計算しましたので、リーズナブルな価格感のお見積りを提示できたと思います。お客様先での滞在が前提だと、チームメンバーは他の案件に関わることができません。しかも全体の工数が膨大になってしまい、それがそのままお見積りに反映されてしまいます。リモート対応だとリソースの占有にならず、他の案件に関わることができるため、コストを大幅に抑えることができます」

近年、システム開発部の顧客企業の多くがパブリッククラウドを積極的に活用するようになっており、ハードウェアの維持管理の負担を避けるため、クラウドサービスを利用した構築が前提の相談も増えていると言います。そのような中、システム開発部は土木建築業の事業者である顧客企業から、クラウドの活用そのものが顧客の課題解決になり得るシステム開発の相談を受けました。相談のポイントは、個人の経験とスキルに依存していた管理業務そのものの仕組み化と、データ入力や作業計画の作成などの業務をPCのある事務所に限定されず、いつでもどこからでも、どんなデバイスからでもできるようにすることでした。パブリッククラウドの利用については顧客側の担当者も想定しており、基本的な提案はスムーズに進んだと言います。

「元々、マイルストーンとしては5~6年くらいのスパンで全体の自動化について相談を受けていたお客様でしたが、COVID-19の感染が拡大しつつあった頃に、1人の担当者への過度な依存を解消することが大きなテーマとなっており、急遽立ち上がったプロジェクトでした。実際の工事現場を確認し、現場の状況や天候、人と資材・機材の手配状況を踏まえ翌日の作業計画を策定するのが日々の業務でしたが、事務所に戻る前に現場でタブレットなどからすぐにデータ入力できること、自宅など事務所の外からでも計画表作成ができるようにすることが要望だったことから、パブリッククラウドへのシステム展開を前提に開発を進めるのは当然のことでした。お客様の中に長年メインフレームを触ってこられた方がいらっしゃいましたので、手元に機械がない点や、ハードウェアのトラブルを気にしなくてもよい点、そして保守人員を自社で確保しなくてもよい点に、クラウドのベネフィットを感じられていました」

 そして、榊原氏は、COVID-19の感染拡大が進んでいたことや顧客が遠隔地にあることから継続的な訪問や長期滞在が難しかったこと、リモートワーク自体が一般に定着しつつあったことにより、フルリモートでの構築プロジェクトを決断します。フルリモートのプロジェクトについて、榊原氏は顧客にとってもコスト面で大きなベネフィットになると言います。

「今回のような状況の場合、お互いに頻繁に行き来することができませんので、訪問回数を予め決めさせていただきました。訪問回数を減らしつつ、一回の密度を濃くするという前提での料金を計算しましたので、リーズナブルな価格感のお見積りを提示できたと思います。お客様先での滞在が前提だと、チームメンバーは他の案件に関わることができません。しかも全体の工数が膨大になってしまい、それがそのままお見積りに反映されてしまいます。リモート対応だとリソースの占有にならず、他の案件に関わることができるため、コストを大幅に抑えることができます」

▮ クラウド活用のベネフィットを最大化するフルリモートのプロジェクト

今回のシステムは、ITに不慣れなユーザーが工事現場で利用することを想定し、ユーザビリティを特に重視。榊原氏は、社内からSFAの分野の画面設計で実績のあるUI/UXに強いメンバーを選抜し、プロジェクトにアサインしました。利用するパブリッククラウドサービスとしては、国内で最も導入実績が多く、顧客も興味を示していたことからAWS(アマゾン ウェブ サービス)の採用が決まりました。そして、フルリモートでの対応を条件として、クラウド基盤の構築を担当する協力会社の選定を開始。そして、訪問回数を最小限に抑えつつ、品質を担保しながら短期間での構築が可能なプランを提案したJTPに決まりました。榊原氏はJTPの提案を次のように評価します。

「対面での打ち合わせのための往来を最小限にしていただけたので、構築そのものの費用を抑えられることが判りました。プロジェクト期間中の対面での打ち合わせとしては3回ほどを予定されていましたが、それぞれにパラメータ項目の洗い出しやパラメータの確認やレビューなど重要な活動が設定されていました。対面で話す回数は少なくても、一度の打ち合わせで時間をしっかり作って話し合うことで、無駄な時間を削ぎ落としつつ、丁寧な作り込みができることが判りました。これらを毎回往来して進めていたら、もっと長いスパンでプロジェクトを考える必要があったと思います。おかげで、実際の構築作業は、短い期間で実施できました」

さらに、榊原氏はJTPの構築に関するドキュメントの品質の担保についても高く評価します。

「事前の打ち合わせで、AWSの構築に関して、エビデンスを意識した質の高いドキュメントを構築担当の方々に用意いただけることが判りました。パラメータシートは作業の指針である一方、ゴールを示すものでもあり、計画通りにできているかどうかを判断するための証跡になります。そのため、提出を嫌がる開発ベンダーも少なくありませんが、JTPさんはパラメータシートをエビデンスとして提出してくれましたが。それは自身の構築の品質に対する自信の表れでもあるので、安心してお任せすることができました」 

▮ すべてのコミュニケーションとドキュメントをコラボレーションプラットフォームに集約

こうしてプロジェクトはスタート。商談発生の発生は2021年10月でしたが、JTPは同年12月から翌2022年3月まで行った要件定義から参加。要件定義の完了時点での検収を経て、3月~9月で設計開発を行い、2022年10月よりシステムが正式に稼働となりました。実際のプロジェクトでは、コミュニケーションやドキュメントをコラボレーションプラットフォームであるMicrosoft Teams上に作成した専用チームに集約し、JTPの担当者も含むプロジェクトメンバー8人全員がこのチームに参加。基本的に定例ミーティングの設定は行わず、確認事項などがあれば、その都度チャットやアドホックな打ち合わせで、すぐに話し合うようにしました。ドキュメントについては、Teams上のチーム内に用意した専用フォルダ内で共有し、常に最新版に保つことをルール化しました。榊原氏はリモートのプロジェクトについて次のように話します。

「現在は対面での打ち合わせが復活しているものもありますが、コロナ禍の間はほとんどがリモートだったこともあり、オンラインでのコミュニケーションが定着してきたと思います。対面となると、事前にアポイントを取り、資料を作成して送って、当日に時間をかけて訪問し、1時間ほどの会議を行い、帰るのにもまた時間がかかってしまうようなことが普通でした。リモートの場合は、電話やチャットで『今からいいですか?』とすぐに集まることができます。少し会話したいだけであれば、わざわざアポイントを取る必要がありません。アプリケーションについても、AWSであれ、リモートでデプロイできるため、顧客を直接訪問せずに済みます。そのため、時間的な制約もなく、顧客に時間を作ってもらう必要もありません。今回のプロジェクトでは、顧客も含め、日本全国のさまざまな地域からメンバーが参加しましたが、お互いの距離を感じることはなく、リモートでの作業が現実的であることを改めて感じでることができました」

 

実際に稼働を開始したシステムですが、作業計画の作成に要する時間が1日あたり2時間から30分に短縮され、1 ヶ月で見ると約30時間の削減が実現しました。さらに、どの担当者でも以前の熟練者と同じ品質で作業計画が作れるようになりました。その結果、以前の担当者は、より上流の管理業務や社内調整のためのコミュニケーションに専念することができ、組織全体の生産性向上にも貢献できたと言います。

▮ 今後のクラウド活用の方向性とDXへの展開

榊原氏は、今回のプロジェクトの今後については現時点では具体的な予定はないものの、中長期的には顧客企業のDXに繋げていきたいと話します。

「今回開発した作業計画作成システムが作成する計画表を、メインフレーム上で稼働している基幹システムとシームレスに連携させたいと考えています。また、マイルストーンとしては数年単位となりますが、2025年問題もあり深刻な人材不足が予想されていますので、労務管理やスキル管理、機材の管理まで広げて相互に連携し、全体的なDXにまで繋げていきたいと考えています」

さらに、同社の今後について、パブリッククラウドの活用においてはパッケージ製品のSaaS化、DXの観点からは管理部門の業務効率化や生産性向上を含めた社内全体のデジタル化などが大きなテーマになると言います。そして最後に、パブリッククラウドの活用を検討されている方向けにはパートナーの存在が重要だと話します。

「遠隔地の顧客の場合、何かトラブルが発生してもすぐに駆けつけることができません。クラウドであれば、どこからでもしっかりとサポートができるというのは大きな強みです。とは言え、パブリッククラウドの活用については、パートナーの存在が重要です。クラウドに精通したプロフェッショナルに構築から運用までをまとめたお任せした方が、自社の保守要因の確保や休日出勤などで困ることはありませんし、結果的に全体的なコストを下げることができると思います」

JTPでは、長年に渡るクラウドインフラの構築と運用実績を通して育まれたベストプラクティスを集結し、今後もシステムズナカシマのビジネスをサポートしていきます。

本文中に記載されている会社名及び商品名は、各社の商標または登録商標の場合があります。
この事例に記載された内容は2023年8月現在のものです。

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