データ活用ビジネスの加速へ - データ&AIのVP Keynote | AWS re:Invent 2024 現地レポート
AWSのAI・データ担当バイスプレジデントであるDr. Swami Sivasubramanian氏 によるKeynoteでは、強力なデータ基盤を活用して顧客に革新的で差別化されたソリューションを提供する方法について語られました。特に、生成AIを含む多様なユースケースを通じて、ユニークな顧客体験を創造するためのデータの活用法が紹介されました。本記事では、新サービス発表や紹介されたトピックをお届けします。
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Amazon SageMaker AI
Amazon SageMaker HyperPod Flexible Training Plans
新たに導入された「Amazon SageMaker HyperPod」は、キャパシティ予約の不確実性や手作業を排除し、トレーニングインフラとクラスタを自動的にセットアップします。これにより、予算とスケジュールに合わせて、確実にモデルトレーニングを実施できるようになります。
Amazon SageMaker HyperPod Task Governance
「HyperPod Task Governance」機能では、アクセラレータのコンピュートリソースをタスクに動的に割り当てることが可能です。これにより、優先度の高いタスクを確実に時間内に完了させることができ、コンピュート割り当てと利用をリアルタイムで監視および監査することができます。
AI Apps from AWS Partners Now Available in Amazon SageMaker
AWSパートナーからのAIアプリケーションをAmazon SageMaker内で検索、デプロイ、使用できるようになりました。これにより、ユーザーはより幅広い選択肢から最適なツールを選ぶことができるようになります。
Amazon Bedrock
Amazon Bedrock Marketplace
「Amazon Bedrock Marketplace」では、100以上の人気モデルや新興モデル、特殊モデルをテストし、使用することが可能です。これにより、ユーザーは自分のニーズに合ったモデルを見つけやすくなります。
Amazon Bedrock Supports Prompt Caching
複数のAPIコールにまたがるプロンプトで、繰り返されるコンテキストをキャッシュする機能が追加されました。これにより、効率的なデータ処理が可能になります。
Amazon Bedrock Intelligent Prompt Routing
異なる基礎モデルを自動的にプロンプトし、応答速度を最適化し、コストを削減する機能が実装されました。これにより、ユーザーはより迅速に必要な情報を得ることができます。
Amazon Bedrock Knowledge Bases Supports Structured Data Retrieval
構造化されたデータをシームレスにRAGに統合する機能が追加され、情報の取得が容易になりました。
Amazon Bedrock Knowledge Bases Now Supports GraphRAG
知識グラフを使用して、生成AIアプリケーションに適切な応答を生成する機能が実装されました。これにより、より高精度な情報提供が可能になります。
Amazon Bedrock Data Automation
非構造化マルチモーダルデータを生成AIアプリケーションとアナリティクスのために変換する機能が追加され、データの活用方法が広がります。
Amazon Bedrock Guardrails Multimodal Toxicity Detection
画像コンテンツのセーフガードを設定できる機能が追加され、コンテンツの安全性が向上しました。
Amazon Kendra
Amazon Kendra Generative AI Index
「Amazon Kendra Generative AI Index」では、Amazon Bedrock Knowledge Basesを使用して、40以上の企業データソースに簡単に接続できるようになりました。これにより、情報検索の効率が大幅に向上します。
Amazon Q
Amazon Q Developer Now Tops the SWE Bench
「Amazon Q Developer」は、ソフトウェアエンジニアリングのベンチマークであるSWE Benchでトップに立ちました。これにより、開発者はより高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
Amazon Q Developer Is Now Available in SageMaker Canvas
自然言語を使用して機械学習モデルを迅速に構築できる「Amazon Q Developer」がSageMaker Canvasで利用可能になりました。これにより、非エンジニアでも機械学習モデルの開発が容易になります。
Amazon Q in QuickSight Scenarios
シナリオ分析を実行し、ユーザーが複雑な問題に対する答えを素早く見つけられるようにする機能が追加されました。これにより、データ分析の迅速化が図られます。
AWS Education Equity Initiative
AWSは、クラウドコンピューティングとAIを通じて、世界各地で十分な教育を受けていない学習者の教育に力を入れる「AWS Education Equity Initiative」を発表しました。このイニシアチブには、次のような取り組みが含まれています。
- 5年間で最大1億ドルのAWSクラウド・クレジットのコミットメント
- AWSエキスパートによる包括的な技術アドバイス
- 責任あるAIの実装と最適化のためのカスタマイズされたサポート
まとめ
前日のCEOのKeynoteに引き続き、AIやデータに関連した数々の新機能が発表され、改めて生成AI・データ活用の発展が今のITの中心である実感させられるとともに、そのスピード感に圧倒されました。企業の業務効率を向上や、企業がデータを活用してより良い顧客体験を提供するための道筋が示され、これから次々と事例が出てくるのが楽しみです。
また、「AWS Education Equity Initiative」という 教育の公平性を高める取り組みも興味深く、AWSの業界における位置づけがどのようになっていくのか、注目したいと思いました。