現場の知見が交差するラウンドテーブルー AIの本格的な活用の未来に向けて | Microsoft Ignite 2025参加レポート
Microsoft Ignite 2025は、AI・クラウド・ローコード開発など、最先端テクノロジーの進化を体感できるイベントとなりました。会場では多彩なセッションやブース展示が行われる中、パートナー企業を対象としたラウンドテーブルも開催されました。今回、当社の社員が現地でこのラウンドテーブルに参加し、グローバルな視点から得た知見や他社の課題・取り組みについて直接情報交換を行いました。本レポートでは、その現場で得られたリアルな気づきをご紹介します。
ラウンドテーブルの概要
Microsoft Igniteのラウンドテーブルは、ビジネスやテクノロジーの6つのトピックに分かれて開催されました。日本からも多くのお客様やパートナー企業が現地参加し、Microsoft社員とともに多様なトピックについて議論する場となりました。使用言語は英語で、通訳者なし・AI翻訳ツールを活用して実施されました。
今回Igniteに参加した社員3名が参加したのは、以下の3つのセッションです。
- AI-driven Development (App/GitHub)
- Innovate with Azure AI apps and agents
- Discover Copilot and agents at work
それぞれのセッションで、さまざまな立場の方から、多角的な視点によるAI導入・活用の最前線を体感することができました。

ラウンドテーブル① AI-driven Development (App/GitHub)
このセッションはエンジニアの参加が多く、ホストのLuke Hoban氏(Microsoft)の進行のもと、GitHub CopilotやAzure SRE Agentの最新アップデート、各種ツールのデモが中心に展開されました。参加者同士が現場の課題を率直に共有し合う場となり、実践的な議論が行われました。
特に、AIコーディングエージェントのセキュリティ・ガバナンス、Copilotの社内展開方法、既存システム開発へのAI適用など、現場に即したリアルな論点での議論が活発に交わされました。企業におけるAI導入・活用の具体策を深く掘り下げることができ、非常に有益な知識交換の場となりました。
ラウンドテーブル② Innovate with Azure AI apps and agents
このラウンドテーブルでは、ユーザー企業とIT企業が混在し、役職も多様でした。ホストはBalan Subramanian氏(Microsoft)。日本からの参加者同士が海外イベントならではの距離感で交流できたことも大きな収穫でした。
議論の中心は、企業向けAI基盤構築やMicrosoft Foundryの活用戦略。Agenticアプリ開発、Foundryモデルルーターの性能、オンプレミスとクラウドのゲートウェイ設計、データガバナンスや権限管理、SharePoint連携制約、Foundryロードマップ、MCPやAzure Functionsとの比較、CI/CDやスケーラビリティ最適化など、数万人規模の企業でAIを導入する際の設計指針や課題解決策が具体的に話し合われました。
特に、「データを一箇所に集めるべきか」「MCP等で接続していくべきか」といったデータガバナンスのアプローチは、今後の自社方針を考える上でも大変参考になりました。
ラウンドテーブル③ Discover Copilot and agents at work
日本企業として、経営層への説得や利用率向上など、他社も同様の課題を抱えていることが共有され、非常に身近に感じました。特に印象的だったのは、「エージェント導入期が最も進みにくい」という指摘と、その突破口として、従業員一人ひとりが“単なる利用者”ではなく“自分の業務を変えるクリエイター”として関わる必要があるという点です。当社としても、ツールを配るだけでなく、現場が自らエージェントを工夫しながら使いこなしていける文化づくりが重要だと感じました。
当社としても、単なるツール配布に留まらず、現場が自らエージェントを工夫し使いこなす文化づくりの重要性を再認識しました。また、「Copilot導入=ゴール」ではなく、Frontier企業としてどう変わるかが終始テーマとなり、今後はEX(従業員体験)設計、データガバナンス/オブザーバビリティ、KPI設計(生産性→売上/コストへのブリッジ)までを含めた総合的な支援が必要だと感じました。
最後に 〜パートナー企業として参加して得たもの〜
今回、Microsoft Ignite 2025のラウンドテーブルにパートナー企業として参加し、AI導入・活用の最前線を知ることができました。単なる情報収集の場ではなく、現場のリアルな課題やグローバルな潮流を肌で感じることができ、そして“単なるツール導入”を超えた組織変革・文化づくりの重要性を再認識しました。
特に、AI導入の成功には、以下のような取り組みが必要であると感じています。
- 最新技術のキャッチアップと現場への迅速な展開
- EX設計やデータガバナンス、KPI策定まで踏み込んだ総合支援
- AI活用を通じた業務変革・組織文化の醸成
- グローバルイベントで得た知見の社内外への還元
これからも、お客様とともに「AI時代のフロンティア企業」を目指す伴走者として、ここで得た知見を活かし、より良い価値提供を目指していきたいと改めて感じました。







