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国産クラウド「さくらのクラウド」徹底解説 ~公共クラウドサービスの新しい選択肢~

教育機関やSIer(システムインテグレーター)にとって、クラウドサービスの選定はDX推進や業務効率化の鍵となります。特に公共分野では、「データ主権が国内で完結する」ことへのニーズが高まっており、国産クラウドサービスが注目されています。 本記事では「さくらのクラウド」にフォーカスし、サービス概要、主要機能、AWSとの比較、メリット・デメリット、導入事例まで、教育現場や公共分野での活用を検討する皆様に向けて分かりやすくご紹介します。

 

 

さくらのクラウドの概要

「さくらのクラウド」は、さくらインターネット株式会社が提供する国産のIaaS型パブリッククラウドサービスです。教育機関や公共分野においては、データの主権が日本にあり、国内法に準拠していることが大きな安心材料となっています。 ここでは、さくらのクラウドの主な特徴について紹介します。

 

さくらのクラウドの特徴

さくらのクラウドは以下のような特長を持っています。これらの特長により、公共分野や教育機関でも安心して利用することができます。

  • 日本企業の運営による世界情勢の影響やサプライチェーンリスクの低減
  • 国内自社データセンター運用(北海道・東京のリージョン選択可能)
  • 高性能サーバー&拡張性の高いネットワークをインターネット上で構築可能
  • ガバメントクラウドサービス認定事業者(2025年度末までの技術要件達成が条件)
  •  ISMAP、ISMS、クラウドセキュリティ認証、プライバシーマーク取得済み
  • 堅牢な設備・万全のセキュリティ管理
  • クラウド技術者向け「さくらのクラウド認定試験」も提供されており、スキル証明や教育にも活用可能。

さくらのクラウドはデジタル庁が推進する「ガバメントクラウド」対象クラウド事業者として条件付き認定を受けており、2025年度末までに全ての技術要件を満たす計画が進められています。

2025年11月7日に公表された情報によれば、2025年9月末時点で体制および計画の見直しが必要な開発項目が一部確認されたものの、開発計画全体には影響はなく、引き続き進捗状況の確認と注視が続けられています。

最新の進捗や認定状況については、デジタル庁の公式ページでも公開されています。

 

運用体制・料金体系

運用体制や料金体系は、教育機関やSIerが導入を検討する際に重要なポイントです。さくらのクラウドは、サポート体制と柔軟な料金プランで安心して利用できます。

  • 24時間365日、日本のエンジニアが対応
  • 従量課金+固定料金制(長期利用割引あり/割引パスポート)
  • 利用時間に応じた柔軟な料金体系(10時間単位、日額、月額)
  • これらの運用体制・料金体系により、長期運用や安定したサポートを求める教育機関にも適しています

 

さくらのクラウドとAWSの機能・特徴比較

さくらのクラウドは、教育機関やSIerが必要とするITインフラの主要機能をしっかり備えています。AWSなどのグローバルクラウドサービスと比較すると基本機能や運用面で異なる特徴があります。ここでは、サービスカテゴリの比較とともに、メリット・デメリットや構成・セキュリティ面の違いをまとめます。

主要サービスカテゴリの比較

ここでは、さくらのクラウドとAWSの主要サービスをカテゴリごとに比較します。どちらもコンピュート、ストレージ、データベース、ネットワーク、監視など、教育機関やSIerが必要とする基本機能を網羅しています。

カテゴリ

さくらのクラウド

AWS

コンピュート

サーバー

Amazon EC2

ストレージ(オブジェクト)

オブジェクトストレージ

Amazon S3

ストレージ(ブロック)

ディスク(ブロック)/専有ストレージ

Amazon EBS

ストレージ(ファイル)

NFS

Amazon EFS

データベース(RDB)

データベース(アプライアンス)

Amazon RDS

データベース(NoSQL)

NoSQL

Amazon DynamoDB

ネットワーク(VPC)

スイッチ/ルータ

Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC)

ネットワーク(負荷分散)

ロードバランサ

Elastic Load Balancing(ALB/NLB/GWLB)

接続(VPN)

VPNルータ

AWS Site-to-Site VPN

接続(専用線/プライベート)

ダイレクトアクセス/プライベートリンク

AWS Direct Connect / AWS PrivateLink

監視

シンプル監視・Zabbix

Amazon CloudWatch

この比較からも分かる通り、さくらのクラウドは公共分野や教育機関で重視されるポイントにしっかり対応しています。

  • 国内自社データセンターによるデータ主権の確保
  • ISMAP認証取得済み
  • 日本人エンジニアによる24時間365日サポート
  • 円建て料金・転送量無料
  • ガバメントクラウド対象クラウド事業者として条件付き認定
  • 高度なセキュリティ対策
  • APIによる構築・運用自動化
  • TerraformによるInfrastructure as Code対応
  • その他主要なIaCツールにも対応

これらの特長は、国内法令対応や予算管理、サポート体制を重視する組織にとって大きなメリットとなります。

さくらのクラウドとAWSの比較・選択ポイントまとめ

さくらのクラウドとAWSは、それぞれ異なる強みや特徴を持っています。用途や重視するポイントによって最適な選択肢は異なります。
 

<さくらのクラウドの主なメリット>

  • 「国内運用」「明確なコスト」「公共認証」「日本語サポート」など
  • オンプレミスに近い使い勝手で、初めてクラウドを利用する場合も学習コストが低い
  • サービス体系がシンプルで、公共分野や教育機関の国内法令・運用要件に適している
  • 日本円建ての料金体系で、為替変動の影響を受けない
     

<AWSの主なメリット>

  • サービス種類・機能の豊富さ(IaaS/PaaS/SaaS/AI/IoT/マネージド型サービスなど)
  • グローバルリージョン・大規模インフラ対応
  • マネージドサービスやAIなど先進技術の活用
  • ナレッジ・拡張性・自動化の選択肢が広い
  • 豊富なセキュリティサービスやWAF、境界防御サービスなどによる高度なセキュリティ対策
     

<選択時のポイント>

  • 国内データ保護や公共用途、コスト管理重視ならさくらのクラウド

  • 多様なマネージド型やグローバル展開、最新技術ならAWS

  •  必要なサービスレベル・予算・運用体制に応じて選定することが重要

これらの点を踏まえ、現場のニーズや求める機能に合わせて、サービス選定・設計を行うことが重要です。

 

ガバメントクラウド認定

2023年度、さくらのクラウドはデジタル庁「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」として条件付き認定を受け、2025年度末までに技術要件をすべて満たすことが求められています。現在、教育・研究・行政分野を中心に導入事例が広がっており、公式サイトでも具体的な活用事例が公開されています。本章では、認定の概要と技術要件、そして2025年11月時点での代表的な導入事例について紹介します。

 

認定の概要と技術要件

さくらのクラウドは2023年度にデジタル庁「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」として条件付き認定を受けました。その条件は「2025年度末までにガバメントクラウド調達要件(技術要件305項目)をすべて満たすこと」です。公式発表(2025年11月)時点では、大幅な遅延なく開発・整備が進められており、「全要件の達成に向けて順調」と説明されています。

一方、導入自治体・事業者の情報については、2025年11月時点で公式Webサイトに『導入事例一覧』ページが用意され、教育・研究・行政分野等で複数の活用事例が公開されています。網羅的な自治体リストや全導入機関数の数字は出ていませんが、学術・公共分野を中心に実運用の広がりが確認できます。

 

代表的な導入事例(2025年11月時点)

さくらのクラウドは、学術・教育・行政分野を中心にさまざまな現場で活用が進んでいます。公式サイトでは、実際に導入された機関の具体的な事例が公開されており、クラウドの信頼性や運用効率、セキュリティ面での強みがどのように現場で役立っているかを知ることができます。ここでは、2025年11月時点で公開されている代表的な導入事例を紹介します。

  • 統合認証システムのクラウド移行により災害対策・可用性向上を実現。学内基幹業務のDX推進と堅牢なBCP・セキュリティ強化に貢献しています。
     
  • オンプレ障害を機にクラウド移行。研究基盤の安定運用、メンテナンス・災害・コスト対応の最適化、SINET5との柔軟連携といった公益分野特有のニーズに応えています。
     
  • JAIRO Cloud等の学術リポジトリサービスをパブリッククラウドへ全面移行し、継続稼働・業務集中・運用・保守効率化を実現しています。国内法対応や運用透明性も強みです。
     

さらに導入事例一覧ページでは、学術・教育・企業・自治体など幅広い分野の具体的な利用状況が確認できます。

 

今後の展望とまとめ

さくらのクラウドは、国内データセンター運用・日本人エンジニア対応・ISMAP認証取得など、公共分野や教育機関に安心して導入できる国産クラウドサービスです。AWSなどグローバルクラウドと比較しても基本機能は揃っており、円建て料金・転送量無料などコスト面でもメリットがあります。一方で、サービスバリエーション、セキュリティ選択肢などの違いもあるため、導入前には現場のニーズに合わせた選定と事前検証が重要です。今後の事例公開や技術要件の達成にも注目しながら、公共クラウドサービスの新しい選択肢として「さくらのクラウド」がどのような特徴やメリットを持つのか、教育機関やSIerの皆様の情報収集や比較検討の参考になれば幸いです。

 

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