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RSAC 2025 "Many Voices. One Community." | セキュリティの大規模カンファレンス現地レポート

こんにちは!現在、アメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコのモスコーニ・センターで開催されている「RSAC 2025」からお届けしています。今年は参加者数が44,000人を超え、29のトラックで450以上のセッションが展開されるなど、過去最大級の規模で開催中です。サイバーセキュリティの未来をかたち作る場として、大きな注目を集めています。

今回は本カンファンレスに参加している社員から、現地の様子をご紹介します。


注目の基調講演:AIとコミュニティの融合

カンファレンスの幕開けは、RSACエグゼクティブ・チェアマンのHugh Thompson 氏による基調講演。進化する脅威に対して、柔軟で適応力のある姿勢、そしてコミュニティの力が重要であると語りました。彼は参加者に「ベイズ的思考」を持ち、変化を受け入れ、互いに学び合う姿勢を持つよう呼びかけました。

対応が急務になっている、AIのセキュリティ対策

さらに、CiscoのJeetu Patel 氏からは、大きな発表がありました。同社は、セキュリティオペレーションを強化するために設計された80億パラメータのAIモデルである、オープンソースの「Foundation AI Security Model」を発表しました。この取り組みは、AI駆動のサイバーセキュリティにおけるコラボレーションと透明性を促進することを目指しています。

Google CloudのSandra Joyce氏は、APTグループ(高度で持続的なサイバー攻撃を行う脅威アクター )が、GeminiなどのAIツールを使って、フィッシングや調査を行っている事例を紹介しました。現時点でAI特有の新たな攻撃ベクトルは発見されていないものの、AIの悪用が現実のものとなっている今、強固な防御の構築が急務であると警鐘を鳴らしました。

イノベーションとトレンドの最前線が集う、展示会場

600を超える企業が最新技術を展示する展示会場。特に次のような分野が注目されていました。

  • アプリケーションセキュリティ
    ソフトウェアサプライチェーンの保護、APIセキュリティ、アプリケーションの検知・対応などが紹介されていました。

  • セキュリティ運用の効率化
    生成AIを活用した脅威検知の自動化や迅速なインシデント対応が注目されています。大量データを効率的に扱い、より正確な対応を可能にする取り組みが進んでいます。

  • ID・アクセス管理 (IAM)
    ディープフェイク検知、マシンIDの保護、ID脅威の検出など、信頼性の高いID管理が求められています。

  • 生成AIセキュリティ
    AIモデルそのものの安全性確保や、セキュリティ運用へのAI統合に関するツールが急増中でした。




「RSAC™ Cybersecurity Atlas」が登場!

RSAC 2025の目玉のひとつが、「RSAC™ Cybersecurity Atlas」の初公開です。このインタラクティブツールは、サイバーセキュリティ分野のトピックや研究動向を視覚的に分析・探索できる革新的なプラットフォームです。バブルチャートなどの動的なビジュアライゼーションを通じて、「セキュリティにおける生成AI」「クラウド設定ミスのリスク」「AIガバナンスとリスク管理」など、注目テーマの関連性を一目で把握できます。



RSACの参加者は、この「Cybersecurity Atlas」をRSAC™ Community Platformを通じて利用可能で、イベント期間中はもちろん、カンファレンス後も活用できるハブとして、すでに高い評価を受けています。

Cybersecurity Atlasの主な機能

  • トレンド予測に役立つAI研究ツール
  • プライベートなコラボレーションのためのエンドツーエンド暗号化による安全なチャット機能
  • 専門家によるQ&Aやディスカッション
  • プレゼン資料、ポッドキャスト、独自リサーチのライブラリ
  • 毎日の最新脅威ニュース配信


サイバーセキュリティの未来

私たちも、RSAカンファレンスで得られた知見を、ますます複雑化するデジタル環境でお客様へのより良いサービス提供に活かしたいと考えています。会期中はさらに多くの洞察が得られる予定ですので、次回のブログではRSAC 2025の主要な学びや注目セッションをさらに深掘りしてご紹介したいと思います。お楽しみに!


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