ECサイト「ネスレ通販」のTCO削減とクラウド最適化を強化。社内リソースの運用負荷軽減も実現。

 

世界最大の食品飲料会社ネスレの日本法人であるネスレ日本株式会社。

同社は、それまでオンプレミス環境で運用してきた日本国内の消費者向けECサイト「ネスレ通販」のITインフラをAWSにリホストするプロジェクトを実施。この新しい環境の運用において、サービスレベルや体制に問題を感じるようになった同社は2019年4月からJTPのクラウド運用サービス「Kyrios」を採用。

二次対応含めたエンタープライズ向けの詳細な対応がオプションとしてラインアップされたサービスを利用することで、TCO削減だけでなく、DevOpsプロセス導入やさらなるクラウド最適化に向けた取り組みを強化。その結果、社内リソースをより付加価値の高い業務にシフトできるようになっています。

 

ネスレ日本株式会社

本社所在地
神戸市中央区御幸通7-1-15 ネスレハウス

事業内容
飲料、食料品、菓子、ペットフード等の製造・販売Webサイト

「こちらのやりたいことに対して、ベースとなる運用プランに必要なオプションメニューを追加するだけでしたので、すぐに新しい運用に移行でき、全体のコストも大きく抑えられました。また、クラウドの監視や運用に取られていた時間が減り、他の取り組みに時間を使えるようになったと実感しています。」

日比 裕介 氏

ネスレ日本株式会社
Eコマース本部ECデジタルシステム & オペレーション部
デジタルサポートユニット
マネージャー

課題

導入効果

クラウド化で自由度を得たことによる運用負荷の増加

セキュリティポリシーに従った運用

DevOps導入とクラウド最適化に向けた継続的な取り組み

管理負荷の軽減と運用に関わる社内リソースの最適化

インスタンス毎の料金設定による運用コスト削減

パッチ適応やアカウント管理などのセキュリティ面や、クラウド最適化に向けた運用改善も、標準メニューで対応

▮ 先進性が注目されるネスレ日本のデジタルにおける取り組み

『生活の質を高め、さらに健康な未来作りに貢献します』という自らの存在意義を掲げ、様々なブランドを通して革新的な製品やサービスを提供し続けているネスレ日本株式会社。同社は売上げ全体に占めるEC比率20%達成を2020年の目標として掲げ、ECサイトの取り組みを強化しています。同社、Eコマース本部 ECデジタルシステム&オペレーション部 デジタルサポートユニット マネジャー日比 裕介 氏は、次のように話します。

「弊社は特に小売からの売上げを重視してきましたが、近年はECサイトを中心にデジタルからの売上げが大きく伸びています。新しいテクノロジーでどんなイノベーションができるか、どのようにしてデジタルからの売上げを増やすかが、私たちEコマース本部の主な役割です。」

▮ クラウドのメリットを享受する一方、顕在化した運用面の課題

グローバル企業である同社は、グローバルの原則に従い、ECサイト「ネスレ通販」のITインフラを海外のデータセンターに構築された各国共通のオンプレミス環境で運用していました。しかし、「ネスレ通販」では日本独自に展開しているビジネスが多く、成長中の製品やサービスに柔軟かつ迅速に対応するために、日本独自の環境としてAWS 東京リージョンにリホストし、同社主導で運用することが決まりました。ところが、実際にAWS移行してみると、今度は運用面での負荷が課題になってきました。

「私たちは新しいデジタル関連のシステム導入にも携わりますので、既存の運用を走らせながら新しいものを導入するとなると、かなりの負担になります。とは言え、イノベーションのためには新しいことに継続的に取り組まなければなりませんので、社内リソース最適化が問題になりました。」

 また、国内の経営環境の変化から、ITインフラに関してさらなるTCO削減が社内から求められるようになったと言います。

「2018年に顕在化した日本国内の人手不足による物流費高騰のビジネスへのインパクトは大きく、『ネスレ通販』に関連する物流費も大幅な増加となってしまいました。そのため『ネスレ通販』を支えるITインフラのTCOについて社内からより厳しくチェックされるようになりました。」

▮ 事業の展開に柔軟に対応できる運用代行サービス

日比氏は、AWS移行後の環境では、インスタンス単位で利用できるパッケージ化された運用代行サービスによって、リソース最適化やコスト削減に取り組む想定でした。しかし、実際に運用代行サービスの選定をはじめてみると、事業者側が定める運用に合わせることや、発注側で委託する範囲を細かく決めないと、価格メリットを享受できないものが多かったと言います。

「AWSのようなクラウド環境の運用は共通化できる内容が多いため、ユーザーの規模がそこまで大きくない場合は事業者が決めたサービスに合わせていくアプローチでも問題ないかもしれません。ですが、弊社のようにそれなりに規模が大きく、独自の厳しいルールがあると、パッケージ化された運用ではサポート内容に限界があると感じました。」

 同社では、グローバル全体で厳しいセキュリティ基準が定められており、システムのセキュリティだけでなく、運用体制に対しても厳しくチェックされるため、これらに対応できることが重要でした。

「セキュリティ面については、経営的にどういうリスクになるかが重視されています。例えば、クリティカルなパッチが出たらどれくらいのタイムラインで適用するかSLAで定義されており、パッチ適用状況の監視やレポートが必要です。」

さらに、クラウド移行時にビジョンとして掲げたDevOpsプロセスの導入やクラウド最適化について考え方を共有しつつ、日々の運用から共に取り組める運用パートナーを求めていたと言います。

「運用ではITインフラがメインになりますが、クラウドの場合はアプリも重要です。例えばデプロイのツールやパイプラインなど、将来的なクラウド最適化に向けた拡張について、日々の運用の中でどのように取り組んでいくかが重要でした。」

▮ TCO削減と運用負荷軽減をかなえるサポート

これらの課題を解決する運用パートナーとして、JTPのクラウド運用サービス「Kyrios」が選定されました。特に、二次対応を含めた改善施策について評価し、利用開始後の効果について次のように話します。

「移行に関しては既存の業務と問題点はJTPに共有していましたが、こちらからサービスの適用範囲を細かく定義はしていません。こちらのやりたいことに対して、ベースとなる運用プランに必要なオプションメニューを追加するだけでしたので、すぐに新しい運用に移行でき、全体のコストも大きく抑えられました。また、クラウドの監視や運用に取られていた時間が減り、他の取り組みに時間を使えるようになったと実感しています。二次対応が含まれているプランを利用しているため、JTPがナレッジを持っている障害についてはすぐに対応いただけることが多く、私自身の負荷が大きく減りました。Kyrios導入前は、障害が発生するたびに見積もり・決裁というプロセスが動いていたので、迅速な対応ができていませんでした。」 

▮ クラウド最適化に向けた今後の取り組み

現在は、AWSのマネージドサービスを活用したDevOpsプロセス導入とクラウドの最適化という次なるフェーズが動き出しています。

「将来のクラウド最適化についても、こちらからは方向性だけをお伝えし、詳細はお任せして日々の運用に落とし込んでもらいました。現在は、自動化に取り組んでいます。まずは、セキュリティパッチの適用を自動化します。他にもマイクロサービスやコンテナの導入も検討中ですが、今後はできる限りサーバーレスの方に寄せていき、運用の負荷をもっと下げていきたいと考えています。」

 デジタルにおけるイノベーションを加速するためにECサイト「ネスレ通販」のITインフラをAWS東京リージョンに移し、次なるDevOpsプロセスの導入とクラウド最適化に取り組むネスレ日本。JTPは、クラウド運用サービス「Kyrios」を通して、このITインフラの安定稼働と継続的な拡張を実現することで、これからも、ネスレ日本のイノベーションをサポートしていきます。

 本文中に記載されている会社名及び商品名は、各社の商標または登録商標の場合があります。
この事例に記載された内容は2019年6月現在のものです。

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