【IaCシリーズ1】IaCの基礎
このブログ シリーズは、「IaC」として知られる「Infrastructure as Code」に関して、利用可能なツール、ベスト プラクティス、例を挙げたコーディング方法、最近の傾向などをご紹介していきます。
シリーズ初回の今回は、IaCとは何か、どのように始まったか、IaCのアプローチを取り上げ、これを読むことで、IaCの基礎を理解することができます。
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.IaC を一言でいうと…
- 3.なぜ、今 IaC の導入が進められているのでしょうか?
- 4.IaC のコード記述のアプローチ方法
- 4.1.IaCのアプローチ方法
- 5.おわりに
はじめに
「Infrastructure as Code」(IaC)は、IT インフラストラクチャの設計、構築、管理の方法を変えました。物理サーバや仮想化ソリューションを主体としたインフラ構築管理は、リソースを構築して展開し、必要な構成をすべて手動で管理しなければならず、非常に時間がかかり、拡張性がなく、非効率的なソリューションであり、特に急速なソフトウェア開発サイクルの要件を満たすには困難でした。
インフラストラクチャは、ソフトウェア開発プロセスの主要な側面の 1 つであり、信頼性が高く、堅牢で、可用性が高く、素早く展開される必要があります。これらを解決する手段が、IaCです。
IaC を一言でいうと…
IaCは、コードを使用した自動化によるインフラストラクチャです。インフラを「望ましい状態」に維持するため構成ファイルによって構成と管理を行います。
コード形式の最大の利点は、ユーザーが構成を再利用、再構成、配布できることです。
また、同じインフラストラクチャを何度でもコピーして生成し、展開したり、必要な部分を更新するだけで、数分以内にまったく新しい環境を稼働させることができます。つまり、再現可能なインフラストラクチャ構成をすぐに作成することができるのです。
なぜ、今 IaC の導入が進められているのでしょうか?
もう少し、IaC の必要性についてもう少し深く掘り下げてみたいと思いますが、それを理解するために、IaC が導入される前と現在のシナリオを見てみたいと思います。
IaC 以前
このアプローチの欠点:
- 反復的で時間のかかるプロセス
- インフラストラクチャ プロビジョニングの信頼性と拡張性に欠けるアプローチ
- インフラ全体の管理と保守に、多少のオーバーヘッドが発生
- 機能強化やバグ修正のために、システムを他の環境 (開発、テスト、ステージング、または本番) に複製することや、新しい環境をプロビジョニングすることは、非常に面倒で困難
- 標準化が不十分なため、リソースの構成を変更するとエラーが発生しやすい
- インフラを手動で構築管理する際に、チームメンバーの雇用や管理にコストがかかる
- 別のメンバーがインフラ管理を実行した場合、作業に差異が発生するリスクがある
IaC 後
このアプローチの利点:
- インフラストラクチャの展開と配信の速度が大幅に向上
- スケーラブル
- リソースを手動で管理する必要がないため、運用効率が高い
- 同じコード/構成セットを異なる環境 (オンプレミスとクラウドの両方) で再利用することで、リソースのレプリケーションを瞬時に実行できる(冪等性がある)
- 構成ファイル/コードは、唯一で真実のソースと見なされるため、エラーの可能性を最小限に抑えられる
- 自動化された製品ライフサイクルにより、効率的でコスト効率が高くなる
- コード/構成が標準化されているため、異なる人が同じインフラに対して作業する場合でも、インフラのライフサイクル全体を通じて望ましい状態が維持される
- IaC を導入すると、ソフトウェア ソース コードと同じように構成を処理できるため、バージョン管理ができるほか、テスト駆動開発、CI/CD プラクティスなどを導入できる
現在の製品リリースやサービスのアップデート頻度は速くなり、大量のアプリケーションが定期的に本番環境にリリースされるようになった状況において、インフラストラクチャの立ち上げ、スケーリング、および削除の頻度が増加し、IaC プラクティスなしで管理することは困難になりつつあります。IaCを導入することで、ユーザが求めるスピード感に対応した構築プロセスや管理手法が実現できるのみならず、開発チームの在り方や効率性を高めることが可能になるのです。
IaC のコード記述のアプローチ方法
これからIaCの導入を検討している方の中で、ツールをどのように選択しようか迷っている方もいらっしゃるかもしれません。IaCツールのアプローチ手法は2つあり、製品によってアプローチの取り方が異なります。
IaCのアプローチ方法
- 命令型 (Imperative)
命令型アプローチは、望ましい状態を実現するために実行するコマンドのセットを定義する「手続き型」の方法です。インフラストラクチャを「どのように」変更できるかに重点が置かれています。 宣言型 (Declarative )
宣言型アプローチは、インフラストラクチャの望ましい状態を定義する「機能型」の方法です。このアプローチでは、手順やフローは定義されず、インフラストラクチャが「どのような」ものであるべきかに重点が置かれています。
これらのアプローチに基づいて IaC ツールが機能し、プロジェクトにどのツールを使用するかを決定できます。
おわりに
インフラストラクチャをコードとして記述することは、効率、生産性、コスト効率を向上させ、クラウドおよびオンプレミスのインフラストラクチャのプロビジョニングと管理プロセスに柔軟性とスケーラビリティを提供します。また、CI/CD やその他の DevOps プラクティスと併用すると、さらにその効果を高めることができます。
すでに IaC を使い始めている開発チームは、大きなメリットを実感し、さらに多くの組織が IaC への道を歩み始めています。IaCは、時代のニーズであり、今後デファクトスタンダードとして、普及するでしょう。
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本記事は、JTP Technology Portの英文記事を翻訳・再編集したものです。原文は下記をご覧ください。