世界最大の食品飲料会社であるネスレ日本株式会社は、柔軟かつ迅速なビジネス展開とデジタルイノベーションの加速を目指し、2019年に日本国内の消費者向けECサイト「ネスレ通販」のITインフラをAWSへリホスト。その後、クラウド運用の最適化とコスト削減を段階的に進めてきました。本記事では、JTPのクラウド運用サービスによるネスレ日本様への取り組みを、導入初期から将来構想まで、長期プロジェクトの全体像としてご紹介します。

ネスレ日本 クラウド運用プロジェクト概要
本社所在地
神戸市中央区御幸通7-1-15 ネスレハウス
事業内容
飲料、食料品、菓子、ペットフード等の製造・販売

クラウドシフト直後からの運用課題とJTPの参入

2019年、オンプレミスからAWS東京リージョンへのリホストを実施したネスレ日本は、クラウド環境特有の運用負荷増大や、グローバル基準に基づく厳格なセキュリティ運用、そしてDevOps導入などの新たな課題に直面しました。

これらの課題解決のため、運用コスト最適化・管理負荷軽減・セキュリティ対応をJTPが実施し、社内リソースを付加価値の高い業務へシフトすることに貢献しました。

主な課題

  • クラウド化による運用負荷の増加
  • セキュリティポリシー遵守のための運用体制強化
  • DevOps導入とクラウド最適化に向けた継続的な取り組み

実施内容

  • 管理負荷の軽減と運用に関わる社内リソースの最適化
  • インスタンス毎の料金設定による運用コスト削減
  • パッチ適応やアカウント管理などのセキュリティ対応
  • クラウド最適化に向けた運用改善

インスタンス最適化と適切なスケジューリングによる段階的コスト削減

クラウド移行後、ネスレ日本はクラウドコストの高止まりという新たな課題に直面します。そこで2022年以降、JTPは運用支援に加え、AWS Cost Explorerのローデータを活用した詳細なコスト分析を実施。これにより、標準ツールだけでは可視化が難しかったコスト・ドライバーを明確にし、段階的なダウンサイジングや運用最適化を推進しました。

主な課題

  • ステージング環境におけるリソースの過剰割り当てによるコスト増大
  • CloudWatch Logsの長期保存によるストレージコストの増大
  • ECS環境におけるコンテナスペックの過剰設定によるリソースの非効率利用
  • EC2インスタンスのパフォーマンス低下によるコスト・性能面での非効率
  • 従来型インスタンス利用によるコスト最適化の余地
  • オンデマンドインスタンス利用による料金の割高化

改善策

  • ステージング環境の利用状況を加味したダウンサイジング
  • CloudWatch Logsの保存期間短縮とS3活用によるコスト削減
  • Container Insights導入によるECSスペック最適化(スペック半減)
  • EC2インスタンスのパフォーマンス分析と最適化
  • Arm(Graviton2)インスタンス導入によるさらなるコスト削減
  • リザーブドインスタンスへの切り替え

これらの課題に対して改善策を提案し、よりコスト削減効果の高い取り組みから実施した結果、2022年の年間利用料金の大幅削減を実現。運用現場と密接に連携し、分析から実行までをスピーディーに進めることで、コスト最適化と業務効率化の両立を達成しています。

JTPは今後も、ネスレ日本のデジタルイノベーションとビジネス成長を、最先端のクラウド運用サービスで力強く支援してまいります。